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著者:安全靴歴12年・元工場勤務
隠していた。 職場で足の臭いが気になるのは、清潔にしていないからではないと思う。だらしないわけでもない。臭いのもとになる成分は、通勤中よりも仕事を終える頃になって増える、という計測があるらしい。だとすれば、臭いは家を出る前ではなく、日中の職場で過ごしているあいだに、靴の中で作られていることになる。消臭グッズが効かなかった理由はこちらに書いています。このまま隠して働き続けるしかない、というわけではないのかもしれない。
工場に勤めていたあいだ、安全靴を1日12時間、密閉されたまま履き続けていた。誰かが自分の靴の近くまで来ると、それだけでロッカー室では緊張した。休憩室でも同じで、靴を脱げないまま、昼の時間だけがいつも通り過ぎていった。後輩が入社してきた日には、自分の足元のことが、いつもより気になった。会社の健康診断で足を見せる瞬間も、気が重かった。そんな時期が、長く続いた。ずっと後になってから、同僚から「最近気にならなくなったな」と、声をかけられたことがあった。
花王の計測が追いかけたのは、イソ吉草酸と呼ばれる、足の臭いの原因になる成分だ。この成分は、就業後になって増えていた。入浴を終えた直後や、通勤を終えたばかりの時点では、量にほとんど差が見られなかったという。日中、職場で靴を履き続けている時間そのものが、臭いを増やす条件になっているということかもしれない。エステーの調査では、靴の中の湿度が夏場は最大99.49%まで上がり、両足からにじむ汗の量は1日でおよそ200mL、コップ1杯分に相当するとされている。ロッカー室や休憩室で気にしていたのは、脱ぐ瞬間の匂いではなく、その手前で毎日作られていた環境だったのだろう。
職場で足の臭いが気になっていたのは、清潔にしていなかったからではなかったのだと思う。臭いのもとになる成分は、日中職場で靴を履き続けるあいだに増えていくという。ロッカー室や休憩室で気にしていたのは、脱ぐ瞬間の匂いではなく、そこに至るまでの時間だったのかもしれない。安全靴は極端な例ですが、蒸れて菌が増える構造は革靴でもパンプスでも同じです。隠す以外にも、確かめる余地はまだ残っているようだ。僕がロッカー室で緊張しなくなるまでにやったことはこちらに書いています
Q. 仕事中に足の臭いが強くなるのはなぜですか? A. 花王の計測では、足臭の原因成分イソ吉草酸が入浴後と通勤後では大きな差がなく、就業後に増加していたと報告されています。日中の靴の中の環境が影響しているとされています。
Q. 安全靴だと足の臭いは避けられないのでしょうか? A. 安全靴は密閉時間が長くなりやすいものの、蒸れて菌が増える構造は他の靴でも同じとされています。日中に靴の中がどう蒸れているかを知ることが、見直しの第一歩になると考えられています。
安全靴歴12年・元工場勤務。工場勤務時代に安全靴を履き続けた経験をもとに、実体験と客観データの両面から記事を書いています。